【仮】日本デジタルゲーム学会2021「「負の」ゲーミフィケーション -遊戯性の抑制による逸脱行為抑止戦略-」

「負の」ゲーミフィケーションとは?

 2021年度、弊社メンバーの中尾・松井による共著論文「「負の」ゲーミフィケーション -遊戯性の抑制による逸脱行為抑止戦略-」が日本デジタルゲーム学会夏季研究発表大会にて発表されました。以下、本文の要約となります。論文の詳細な記述につきましては掲載先のリンクをご覧ください。
 本発表では、ゲーム研究の他の社会科学領域への応用の一例として、ゲーミフィケーションの手法を用い、典型的な社会問題としての「いじめ」を解消する戦略を分析・考察した。「いじめ」は社会機能的には主観的全能感を求めて行う行為であり、「遊び」と類似する性質を持つ。そのため、「いじめ」の遊戯性を低下させる適切なゲームデザイン構築を行うという対処法の可能性を示した。ここで重要になるのは、対処する社会問題を鳥瞰できる綜合的な分析、デ・マーケティングの要素を持つ、適切に「つまらなく」させるゲーミフィケーションである。
◇キーワード:ゲーミフィケーション, デ・マーケテイング, いじめ, 遊び, 社会工学

▪参考文献

 [1] 松永伸司(2020)「ゲーム研究への歴史」, 小林信重(編著)『デジタルゲーム研究入門 レポート作成から論文執筆まで』ミネルヴァ書房, pp.13-36  [2] 小林信重(2020)「ゲーム研究への招待」, 小林信重(編著)『デジタルゲーム研究入門 レポート作成から論文執筆まで』ミネルヴァ書房, pp.1-12  [3] 井上明人(2012) ゲーミフィケーション ゲームがビジネスを変える..NHK 出版.  [4] 藤本徹(2015) ゲーム学習の新たな展開,放送メディア研究,No.12, pp.233-252.  [5] 神馬神馬豪.有出宏実.木下裕司(2012)ゲーミフ ィケーショ ン.大和出版.  [6] 松本多恵(2014) ゲーミフィケーションとシリアスゲームの相似点について, 情報の科学と技術,64(11)pp.481-484.  [7] Kotler,P. and levy,S.j. (1971) “Demarketing, yes demarketing” Harvard Business Review, Vol.49 No.6, pp.74-80  [8] 折笠和文(2006) デ・マーケティング戦略の再考 -負のマーケティング論研究序説(2),名古屋学芸大学教養・学際紀要, 2,pp.27-41  [9] 内藤朝雄(2001) いじめの社会理論 その生態学的秩序の生成と解体.柏書房.  [10] 鴻上尚史(2009) 空気と世間.講談社.  [11] 鈴木翔(2012) 教室内カースト.光文社.  [12] エリスM. J. 著、森 杼木、大塚忠剛、田中亨胤訳(1986) 『人間はなぜ遊ぶか―遊びの総合理論―』黎明書房.

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▪著者紹介

中尾優奈

中尾優奈(なかお ゆうな) 一橋大学大学院 社会学研究科 現在: 専門: これまでの寄稿論文:「」「」「」など。
 

松井勇起

松井勇起(まつい ゆうき) 1989年生まれ/東京都練馬区出身/西東京市在住 2010年4月筑波大学情報学群知識情報・図書館学類入学 2023年3月筑波大学大学院図書館情報 メディア研究科博士後期課程修了、博士(図書館情報学) 現在:東京科学大学戦略本部特任専門員+大学非常勤講師(司書課程・司書教諭課程科目) 専門:図書館情報学の傍流分野×社会科学×思想史(メディア論/史、思想史/歴史社会学、社会情報学/論、組織/戦略論、人間の類型論)→概ね人文社会系 これまでの寄稿論文:「」「」「」など。