デジタル庁のパブリックコメント「「オープンデータ基本指針」(改正案)に係る意見募集について」に意見を提出いたしました。

パブリックコメント本文

以下に提出したパブリックコメントの原稿本文を公開いたします。
 
今回の「オープンデータ基本指針」では、2. オープンデータの定義 (4) 公開データの形式等 の章にて『共通語彙基盤等やオープンデータの達成度の評価指標として用いられている「5つ星」』の表現が削除されている。データ形式の観点においても『等「3つ星(CSVやXML等のフォーマット)」以上』が削除されている。
これらの削除が意味するところは、5つ星オープンデータで要求されるオントロジーとRDFによるLinked Open Dataによる公開を目標から取り下げているように見える。確かにオントロジーとRDFは多くの人にとっては取り扱いが困難なデータ構造であり、CSVで公開されることには間違いなくメリットが存在する。
一方でLinked Open Dataと適切なオントロジー開発は、その作成プロセスを通して業務の標準化や、業務で用いられる概念・語彙の標準化を進めることにも繋がるし、将来的に汎用AIに対して事物を学習させる際にはとても大きな道具となりうる。
国家としてLinked Open Dataの旗印を降ろすことには賛成できない。高度先進、かつ現時点ではユースケースも容易には見込めない技術ではあるが、それでも汎用AIにおいては重要なリソースであり、現時点で概念理解の機能をオントロジーから自然言語を解釈する生成AIに置き換えてしまうことには賛成できない。